MMM 2011 コンペ 審査結果を発表します。


 

MMMとしては初の試みとして、 「 みなとメディアミュージアム2011 コンペ 」と題し、
公募を行いました。今年度は審査員にクリエイティブ・ディレクターの齋藤達也さんをお迎えし、
各作品を講評していただきました。
また、「ひたちなか海浜鉄道賞」では、吉田千秋社長に審査を担当いただきました。
読み応えのある選評とともに、注目の結果をぜひご覧ください!!

 


●キハ203を覆う670個のキューブ。展示終了後、作品に使用された木材は護摩木になり、
東日本大震災の犠牲者への慰霊として阿字ケ浦海岸で燃やされた。
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< 選評 >

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非常にスケールの大きい作品であり、場所の中に埋没することなく、
見るもの誰もがそのただならなさに圧倒される。
タイトルが示すように作者にとって風景が一つのキーワードなのだろう。
私も車窓から、なんだこれは?と思ってしまった。
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風景は決して静止することなく、痕跡を残しながら移ろいゆく時間の中で絶えず再形成されていく。
つまり、そこにある(being)のではなく、なる (becoming) ものである。
そういう意味では、この作家はむしろこのスカルプチャー作品それ単体ではなく、
風景というものが生起する大域的なコンテキストの側に言及していくべきなのかもしれない。
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外からやってきた作者が、現地の人々との交渉や、
協力を通して作品が生成されていく過程、プロセス自体に意味があるように思われる。
また、最後に浜辺で木材を焼くということを計画しているようだが、
そのようにして砂地に残される灰や木屑の山も、その場所に生じる風景の一部なのである。
 (齋藤達也)
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「正念場」                「掴わしめ」
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(左)●湊公園に設置された「正念場」。里の字を背負った魚が逆流に負けじと上る姿は、
魚の里、那珂湊が震災に負けじと復興する様を表している。
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(右)●天満宮に設置された「掴わしめ」。つかわしめ(使わしめ)とは、神の使いの動物のこと。
掴わしめとは、使わしめと掴むを合わせた造語である。
”災害に負けずに素敵な未来を掴み取ってください”という願いが込められている。
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< 選評 >
「正念場」
見た瞬間、「みつけちゃったんだろうな。」と、その瞬間の作者の想いが伝わってくる。
また偶然見つけられたこの水飲み場の風貌にも独特のおもむきがある。
その場所の偶然性ゆえに成立した作者の思考や意図を超えた超芸術的な作品だ。(齋藤達也)
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「掴わしめ」
一見、シュールなオブジェだが、これが意外や意外、
小さな稲荷のほこらの正面に置かれていてもまったく違和感なく
「もうこれでいいんじゃないか」とすら思わせる。
また下半身、特にしっぽの感じがこれまた良い。
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形態的なおもしろさにとどまらず、もう一つの作品も含めて、
彼女の作品は、背後に言葉遊び的な要素があり、
ある種のロゴスを潜ませながら見事に成立した作品と言えるだろう。
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作品が展示場所である天満宮の庭師や宮司から「展示」ではなく「奉納」と呼ばれている点も興味深い。
それほど、この作品はこの空間に馴染んでいる。
アート作品が地域にどのように受け入れられていくのか、
イベント全体にとっても非常に大きな発見だったように思う。 (齋藤達也)
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●ケハ601の中では個性豊かな6本の短編アニメーションが上映され、連日多くの親子連れでにぎわった。

< 選評 >

さまざま作品が公開された中、"子供からお年寄りまで誰からも親しまれていること"、
"かって活躍していた鉄道車両をうまく利用していること"の2点が
ローカル鉄道の経営コンセプトと相通じるものがあり、ひたちなか海浜鉄道賞に選定しました。
(ひたちなか海浜鉄道代表取締役社長 吉田千秋)

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審査結果は、いかがでしたか?
出展作品はどれをとっても素晴らしいものばかりでしたが、こちらの3作品が受賞作となりました。
いただいた選評には、これからのMMMのヒントになりそうな言葉もちらほら。
コンペは来年度も実施する予定です。乞うご期待!
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コンペに応募して下さった作家の方々、審査員のお二人、
どうもありがとうございました。スタッフより心より御礼申し上げます。

 

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