大賞

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「Through pillar ~Nakaminato~」 田中彰

地震によって倒れてしまった懐古館の柱を美術作品としてもう一度、再生し駅に建てることで町、駅、人を繋ぐ。 那珂湊には江戸時代から残る歴史的な建物や町並み、漁業を中心とした海沿いの町ならではの景色が多く残っている。また何十年も続く老舗のお店や魅力的な場所がいくつもある。実際に江戸時代に使われていた歴史のある柱に町の風景や現在あるもの、過去にあったものを描いていくことで普段では気づかない新たな視点や可能性を見つけていく。

この作品で使用されている柱は、東日本大震災で倒れてしまった懐古館の通し柱である。 懐古館は元々150年以上前、那珂湊が繁栄を極めた時代の豪商によって建築された土蔵であり、震災前は那珂湊のかつての廻船業など、特徴的な産業の歴史や生活を保存した史料館として活用されていた。 床から天井までのびていた柱には、1864年、幕末に「天狗党の乱」でついた刀傷がある。6メートルを超える巨大な柱は、震災後に刀傷のある下部のみ保管された。残る柱上部を駅に設置し、その四面に街の風景を描いていく。

選評

 那珂湊の人が集う駅に現れた柱は、すでに歴史を内包していた。この柱は、恒久展示作品「Through pillar ~Nakaminato~」として那珂湊駅で再生した。震災で被災し、取り壊された懐古館の大黒柱は、天狗党の乱で受けた刀傷を含め、150年もの歴史を持つものである。駅のホームに再生した柱の4つの面には、それぞれの方角に対応した史跡、特産物などのモチーフが彫り込まれている。さらに那珂湊のまちに72箇所、それぞれの場所に72点の版画が、那珂湊の方々のご厚意により、展示されている。
 田中彰の作品は那珂湊駅の柱と、街のあらゆる場所に版画の技法を用いて、街に根をはる作品を作り上げた。数ヶ月に及ぶ現地での制作により、那珂湊の土地の歴史や日常、そして生活を内部から表現した。広く街を網羅し、街に自分の血肉のようなものを一つずつ落としていった版画は、それが個別のものではなく、街全体を包み込む作用をもたらした。
 特筆すべきは、作家と街の呼吸が柱の内側から感じ取ることができる点だろう。柱から見れば、那珂湊にいつもあった木が見た街というものを柱の身体に浮き上がらせたと言えるかもしれない。柱は生きている木と見たてることができ、その種子が風に乗って舞うように街に降りたという見方もできる。そこに作家性というものは前面には出てこないようにも見えるが、わたしたちは見覚えのあるモチーフに気づくことで、湊線と那珂湊の人たちの顔を浮かび上がらせ、そこに確かな作家の意図を見出すことができる。
 駅の柱を見ることで、街に史跡や特産物など那珂湊に根付くものが、どの方位にあるかを感覚的に掴むことができる。そして、那珂湊の中で版画を発見し、鑑賞することで、芸術と地域の結びつきを確かに感じることになる。「作品・駅・街・ひと」の関係は一方通行なものではなく、それぞれが絡み合い、循環する体験だということをわたしたちに強く訴えかけてくる。鉄道と那珂湊とここに関わるすべての人の関係をより深化された作品として、大きく評価した。

地域賞

ひたちなか商工会議所那珂湊ブロック賞

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「TAINAI」 篠崎陽子

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私たちの生活の中には、とてつもない量の様々な物が溢れている。
毎度手渡し、手渡される袋には手軽い、便利、といった気持ちが多く存在する。一方で、実はそれらは手軽ではないかもしれない。そして、本当は手軽ではないものを消費し続けることによって生まれた、また生まれうる弊害を考えたことはあるだろうか。多くの人工プラスチックは自然に還元されない。またそれらに頼ってしまう我々の姿勢こそ一番の問題なのだ。
次に、胎児とは全てを請け負って産み落とされる命の塊である。胎児を包む羊膜に、人工プラスチックで作られたビニール袋を用い、思考、身体のプラスチック化を、また羊膜をビニール袋の形とし、その中に胎児を寝かせることにより現代社会における命の手軽さ、脆さを表現した。
終わりに、この素晴らしい自然が次の世代に残されるように、私たちは、この社会の中で日々「選択」をしていく必要がある。その選択が次の未来に、良い方向に向かうことを願ってやまない。

ひたちなか海浜鉄道賞

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「voyage」 アートレイン

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おさむ、みにさむの視点で那珂湊の風景を描きました。

まちづくり3710実行委員会賞

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「10maps」 43

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あなたは、地図を描いたことはありますか?

 「ここには川があって この角には交番があって…」

 そんなことを考えながら、各々の地図は出来上がります。

あなたは、地図を描いてもらったことはありますか?

 「この道を行けば良いのか? あったよこの交番…」

 私ではない誰かの思考を読み解いて目的地に到着します。

地図を描く と 地図を読む。

二つの行為の重なりが、私以外の風景を見せてくれる。

みなとみらいプロジェクト実行委員会賞

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「ライブペイント×インタラクション “キラキラワクワクなかみなと” / 湊公園ライブペイント」
フジシロリョウ

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自分の世界と世間をつなぐのは子供、 もしくはあなたの中の子供。
子どもとは何でしょうか。

これはライブペイント×インタラクションのイベント、 キラキラワクワクナカミナトで完成させたペイントです。イベントではリアルタイムでつくられた映像が投影され、魚があなたについてきたり、ペイントしてある星にぬいぐるみを投げ当てると花火が あがるようなアトラクションを設けました。体感することによってお子様が私の世界を引き出し、ここと繋いでくれます。ペイントには広さ、風を表し、ここからの異世界へ の入り口という役割を与えました。

那珂湊本町通り商店街振興組合賞

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「湊線礼賛」 湊線絵手紙応援隊

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私たちは平成25年に結成された絵手紙愛好家のグループです
県内の有志と全国の仲間が湊線と沿線を応援しています
2回の絵手紙列車で車内に展示した熱い思いを集約
  絵手紙は仲間
  絵手紙はメッセージ
  絵手紙はプラカード
  絵手紙は自己実現
  絵手紙は癒し
ゆっくり絵を見て~ 文を読んで~ ひと休み
豊かなひととき 身近な魅力の再発見をどうぞ

那珂湊焼きそば大学院賞

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「Sunfish ~2億分の1の恋~ / Sunfish ~1億分の1のグルメ~」
チーム マンボウ社

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テキスト形式恋愛シュミレーション音楽ゲーム。
那珂湊を舞台に繰り広げられる、マンボウとのひと夏の恋の物語。
音楽ゲームの得点によって分岐するストーリーとエンディングが変化します。
たくさん遊んでね!

ドゥナイトマーケット実行委員会賞

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「M4」

おらが湊鐵道応援団賞

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「おさむシアター」

パフォーマンス賞

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「Lyrical realism」 磯部沙恵里

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Lyrical realism とは、叙情性、実在論の造語です。
「寒風の中で懸命に咲いている様に見える、美しい立ち枯れた紫陽花を、いつか作品にしてみたい。」 …と言う想いで作られた、紫陽花人形aberrations(逸脱者)を中心に配置された、この部屋は、磯部沙恵里の心象風景。
また、パフォーマンス「月蝕のサーカス団」では「幻想と現実は表裏一体の世界」を表現。
ここで存在する全ては「夢は常に現実の延長線上にある」…と言う自身の考えの「いつか」の夢が「今」に変わった瞬間でもあります。

制作にあたって、協力して下さった方々に 感謝の言葉は尽きません。



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