MMM2014コンペティション審査結果発表
MMM2014コンペ 審査結果を発表します。
井口雄介さんが審査員を務めます。
「ひたちなか海浜鉄道賞」、「おらが湊鐵道応援団賞」、
「まちづくり3710屋実行委員会賞」、 「ドゥナイトマーケット実行委員会賞」、
「那珂湊焼きそば大学院賞」、「みなとみらいプロジェクト実行委員会賞」、
「那珂湊本町通り商店街振興組合賞」、 「ひたちなか商工会議所那珂湊ブロック賞」。
計10の賞をそれぞれの受賞作家に賞を贈りました。
各賞の選評とともに、注目の結果をぜひご覧ください!!
そのモノの一瞬の美しさは永遠に損なわれることはない。』
という今までのコンセプトのもと今回の展示では、並行して
2:解体させることが決まっているセキネ化粧品店を
一から新しいギャラリーとして生まれ変わらせ、そこに作品を展示する。
3:展示がおわった後は、いつか解体されるまでセキネ化粧品店を
地元の方の展示場所、コミュニティーの場所としてそのまま残す。
(野村 在)
今回、野村在の作品を大賞としたことは、作品の面白さも十分にあるが、 一番の理由は地域との関わりによってできあがっている作品という点である。 作品を作るにあたり、建物の解体現場に行くところから付き添い、素材を集め、 現時点で1カ月以上の滞在をしながら日々地元との関わり方を考え作品を変化させていることである。 セキネ化粧品店の空き店舗はいつか近い将来解体される、ということを自身のコンセプトと結びつけ ギャラリーとして一時的に生まれ変わらせた点も良かったと思う。 彼自身の作品は写真や映像で、それに合わせた展示場所を自身で作りあげたのと同時に、 会期中そのギャラリーには刻々とその地域で集めた素材によってできあがった作品が増え続けている。 今回会期中にMMMで作り続けている作品がギャラリーに全て出揃うことは、 もしかしたら無いかもしれないが、それは「未完成」として見えるのではなく、 この地域の「継続」といったものが作品に入り込んでいるからであろう。 彼の今回の作品は持って来たものではなく、 那珂湊を現場として「今、この場所」が作品になっていくのである。
この地域で見つけたもの、関わった人や出来事が作家の作品をその都度変化させ、 作品が増えていくということは、ただ毎週変化をつければ飽きないという単純なことではなく、 その地域のその状況に合わせて変化させることで、 より場所の捉え方がリアルに表現と結びつくことであり、 作品が地元に大きな意味を生み出すという可能性を含んでいると考えられる。 彼自身が地元の祭りに参加し、急遽作品(の被写体?)が別の場所で 全く違う遊具のような使われ方をされたりするなど、 MMMの認知を地元に広めると同時に、新しい展覧会の方向性を示した作品、 新しいスタイルと判断し、今回大賞として選定した。
(井口雄介)
それらの関係性を視覚化し、普段見えないでいる世界へ
別の存在となり行ってもらうことで、新たな気付きを生み出す作品です。
人があることに気付き、身体がそこへ向かい始める時、
日常と非日常は溶け合い始め融合し、新たな日常となる。
(松本 真弓×黒澤 仁晶)
まずなによりも誰でも楽しめる面白さを含みつつ、既存の環境を使い作品化しているという点がとてもよかった。 MMMは美術館での展示ではなく、鑑賞者も地元の人や、美術関係者ではない人が多く、 あまり専門的なところを攻めても理解されにくい傾向がある。 その点コンセプトに猫のストーリーを作り組み込み、鑑賞者が参加することで少しづつ 作品が変化するという子供から大人まで、幅広い層が楽しめる作品であった。 過去にも鑑賞者参加型の作品は存在しているが、この作品は元々あった古民家を作品の要素として取り入れており、 コンセプトもわかりやすく物語のようになっていることが大きく違うといえよう。
古民家にあった空気感(卓袱台やブラウン管テレビのあった中2階のスペース)を再現しつつ、 半地下に幻想的なスペースを作る。最大限元の空間を利用し、作品を組み込ませたものとなっていた。
MMMの作品には新しい可能性を探り地域に新たな風を吹かす役割が必要であると同時に、 地域にとことん根ざしている必要性の2面性を持っている。 後に集会所として使われるような古民家を作品として、 つくりかえていくというこの作品は後者の面に突出しているだろう。 今回の展示の中で一番作品と既存の空間との関わり方の完成度が高いという点で優秀賞として選定した。
(井口 雄介)
今年度も多くの作家の方々に参加いただき、素晴らしい作品の数々が那珂湊を彩りました。
ありがとうございました。スタッフより御礼申し上げます。
引き続き多くの作家の皆様の参加を心よりお待ちしております。