那珂湊の風景を描く〜木版画家田中彰〜
MMM2015には、総勢21名のアーティストが参加します。
今回はその中でも、6月10日より現地で滞在制作を行っている
木版画作家の田中彰(たなか しょう)さんを紹介いたします。
黙々と木版を彫っています。
これは「反射炉とイチゴダッペ」
30種類ほどの版は、どれも木版とは思えない程精緻な彫りが施されています。
版の題材は、那珂湊の道ばたで拾った金具、鳥音のかつお定食、
かわさきクリーニングのファサードなど田中さんが滞在制作を通してリサーチしたものです。
押し入れの中には、制作した版が保管されていました。
地元の方たちも、木版で新しく表現されたまちの史跡や特産物に目を見張ります。
版紙はネパールで20年前に漉かれた古紙だそうです。
手透き紙のため、まれに石とか虫とか枝や葉っぱも入っているそうで、
独特な風合いです。
レジデンススペースの近くにある湊公園には、
徳川光圀公が贈呈した樹齢300年を超える松があります。
田中さん自身、そもそも木が好きで、「そこでひろった松ぼっくりから松を育てたい」とおっしゃっていました。
この日は、日頃の労をねぎらって地元の方たちが食事をごちそうしてくれました。
那珂湊駅前にあるアンドラは、創作フレンチのお店で、地元でとれた食材をおいしく提供してくれるレストランバーです。
スズキのポアレを撮影する田中さん。
これも版画になるのでしょうか。