こどもたちの「ヒミツの場所」とは? 43による『10maps』制作秘話
那珂湊のお魚市場近くのガレージ、その空間に美しくレイアウトされた地図。実はこれらすべて、那珂湊第一小学校の生徒の「ヒミツの場所」が描かれたものなのです。
今回紹介するのは、作家グループ43による『10maps』という作品。那珂湊の街で暮らすこどもたちの目を通して発見した、「ヒミツの場所」への地図を、インスタレーションとして仕上げたものです。建築のノウハウを持つ43さんはガレージの空間の使い方も上手く、美しい展示空間を作り上げています。
壁面に設置された地図は魅力たっぷりの力作揃い。まさに十人十色の地図は、子供たちそれぞれの思い入れのある場所、好きな場所への道を示しています。
これらの地図は、今年の6月末に那珂湊第一小学校の子供たちと行ったワークショップで描かれたもの。『10maps』に関わったのは5、6年生の児童32名でした。
自分の「ヒミツの場所」を、43さんやスタッフに一生懸命説明しながら地図を書く子。
なかなか書き出せず、「ヒミツの場所を教えて?」と聞くと、恥ずかしそうにしながらもちゃんと教えてくれる子。
少しの手助けも要らず、黙々とキッチリとした地図を書き始める子。
いろいろなタイプの子どもたちが、思い思いに「ヒミツの場所」を伝えようとし、それぞれらしさがたっぷり表現された地図になっています。
部屋奥にある、那珂湊の街を俯瞰した地図には、ヒミツの場所をマッピング。有名な観光地から、マニアックなまちの片隅まで、それぞれのヒミツの場所が記されています。
さらに吊り下げられたリーフレットの地図を抜き取り、手にとって街を歩くこともできます。子供たちの視点から地図を読み解いていくことで、見慣れた街中の異なる風景が見えてくるかもしれません。
MMMも今月30日で終わり。夏の終わりに、港町でアートと街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。