MMM2019アーカイブ連載第五回 君嶋海裕
こんにちは!MMMです。アーカイブ連載第五回です!
MMM2019アーカイブ連載は、MMM2019に参加した作家の方々が、「自分の作品について」や、「実際に展示するまで」を振り返って、書き下ろしのテキストを毎週金曜日に公開していく連載企画です!
作品を実際に見た人はもちろん、MMMって何?という人でも、作家さんの作品制作の裏側を覗いて見てください!
今回は君嶋海裕さん。MMM2019では、消波ブロックから着想を得た「六脚ブロック積み木」を展示されました。君嶋さんは、那珂湊出身・在住の作家でもあります。
MMM2019での展示や、産業交流フェアでの展示について綴っていただきました。
MMM2019アーカイブ連載第5回 君嶋海裕
制作した積木は、海沿いの消波ブロックをもとに制作しています。消波ブロックの初代である形が、六脚ブロックです。那珂湊は海との関わりが深い街なので、那珂湊の住人たちは、消波ブロックも海と共によく目にしてきた馴染みのあるものだと思います。ですので、六脚ブロック積木は積んで遊べるのは、もちろんのこと、この積木を見て「この形、子供の頃よく見たなぁ」「昔は海でよく遊んだなぁ」等、少しでも懐かしさを感じて頂けたらと思っています。また、小さい子供が六脚ブロックの形を見て、ふと「この形なんだろう」と、ものごとを考えていくきっかけにもなったらいいなと思っています。
MMMでの出店では、積木を多くの方々に触れて頂きつつも、地域アートの難しさも痛感しました。私のMMMでの展示場は、3710屋という那珂湊に住む人が手芸等、手づくりのものを自由に販売できる場で、那珂湊に住む方々が集まってお茶をしたり、寛いだりする、人々の溜まり場のような所でもあります。3710屋では、珍しい手芸の売りものを眺めたりでき、店番の主婦の方が昔の道具のことなど、面白い話をしてくれるので、新鮮さを感じながらも、とても居心地のいい場所だと思いました。このような3710屋の特徴を活かした、六脚ブロックの作品展示を試みたもの、あまり空間にまとまりが出ず、部屋全体が一つのアートとなる作品までには、ならなかったと思います。今後、作品制作に取り組むときは、作品の計画段階から展示環境も想定して、今回一緒に活動させて頂いた作家の奥田さんの作品の様に、作品と環境が調和しあった、空間全体が作品となるようなものを作りたいと思いました。
この積木は、MMMでの出展だけでなく、MMM役員さんからの紹介で、3710屋でのおさがり交換会、ひたちなか市産業交流フェアにも出展させていただきました。本当に多くの方々に作品を触れて頂いたこと嬉しく思います。ひたちなか市産業交流フェアでは、MMM学生の方々に協力して頂いたおかげで、なんとか1日やりきることが出来たと思っています。展示期間の中、子供が積木で遊んでいる姿を見て、いくつか気が付いたこともありました。女の子よりも男の子の方が、この積木に対し興味を引くことが多かったことや積木を横に積んで並べていくよりも、縦に積んで高くしていくことが多かったこと、小さい積み木より大きい積み木を使いたがっていたことなどです。あくまでこの出展を通してのことなので、正確かは定かでないですが、こういうことを研究として、深く追求していくと、より面白いものが作れるのではないかと思いました。
MMMさんには、本当に多くの活動の場と人との繋がりを与えて頂いたと思います。これらの経験を活かし、より良い作品を作れるよう、日々作品制作に取り組んで行きたいたいと思います。
■君嶋海裕
●プロフィール
ものつくり大学 技能工芸学部 建設学科 卒業
5週にわたってお届けしたMMM2019アーカイブ連載企画、お楽しみいただけたでしょうか?ご寄稿くださった作家の皆さまに深く感謝申し上げます。アーカイブ連載企画はこれにて終了となりますが、またご寄稿いただいた際には、連載していきます。
今後は、実行委員のブログ企画などを考えています。お楽しみに!
■みなとメディアミュージアムとは
みなとメディアミュージアム(以下、MMM)は、茨城県ひたちなか市ひたちなか海浜鉄道湊線沿線を舞台に開催する地域アートプロジェクトです。 毎年、全国からアーティストを募集し、厳正な審査を経て、出展者と作品を選出します。出展された作品は会期中(8月中、約3週間)、那珂湊の駅やまちなかを中心に、ひたちなか海浜鉄道沿線や車輌内にも展示されます。またワークショップやその他関連事業の運営も行っています。 「産(主に那珂湊地区商店街、ひたちなか海浜鉄道湊線)+学(主に大学教員、大学院生、大学生)+芸(アーティストおよび美術関係者)」の三者からなる実行委員会により運営されており、芸術表現と地域との協働によるまちの活性化を目的として活動しています。 2009年に第一回を開催し、MMM2019では11回目の開催となります。
●Webサイト
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