専属のアーティスティック・ディレクター就任のお知らせ
みなとメディアミュージアムの専属のアーティスティック・ディレクターとして佐々木樹氏が就任します。(任期:2023年1月1日より2026年12月31日まで)。
この就任を機に、MMMは1年目(2023年・2025年)を構想・リサーチ期間、2年目(2024年・2026年)に芸術祭実施という2年周期のバイエニアルでの開催となります。
■アーティスティック・ディレクター就任に向けて
この度、MMMのアーティスティック・ディレクターに就任させていただきました佐々木樹と申します。MMMとの関わりは、2019年に作家として参加させていただいたことに遡ります。当時駆け出しの作家・研究者であった私にとって、実行委員の皆さまや地域住民の方々にご協力をいただきながら那珂湊という町で過ごした時間は記憶に新しく鮮明に残っています。2020・2021年は実行委員として主にキュレーション面で関わりを持たせていただき、芸術祭をつくることの楽しさと難しさを肌を持って感じ、とても貴重な経験をさせていただきました。
MMMは2009年の初回からバトンを繋ぎ、これまで年に一度のアニュアル形式での開催をしてきました。新型コロナウィルスの影響や日々の技術革新による知識基盤社会化が加速する中で、芸術祭という形式の在り方やMMM自体についてどのように捉え・続けていくべきかを考えた結果、1年目を構想・リサーチ期間・2年目に芸術祭実施という2年周期のバイエニアル形式での開催を目指すことになりました。
2023年と2025年において芸術祭の開催はありませんが、アーティストの成果報告展示や各種イベントなど、これまでと変わらずアートを通じた地域の皆さまとの交流の機会はつくっていく予定です。これまでのMMMの特色である那珂湊地域の場所性・人々が日々紡いでいる営みや胸底にある声をひらいていくということを大切なベースにしながら、これからの芸術祭の在り方や仕組みを考え直していくような新しい試みにチャレンジして行きたいと考えています。
那珂湊の皆さまはじめ、これまでにご関係のある方々はもちろん、これを機にMMMを知ってくださった方々とも共に、より良い体験や経験を内外に拓くことのできる場になるよう、邁進していきたく思いますので、これから皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。
■プロフィール
佐々木樹
1992年宮城県仙台市生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。日本大学大学院芸術学研究科文芸学修了(同専攻学位記受領者総代)。大正大学心理社会学部副手、昭和女子大学環境デザイン学部助手を経て現在、情報科学芸術大学院大学産業文化研究センター研究員ならびに秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科博士課程在籍。兵庫県尼崎市立美方高原青年自然の家「とちのき村」アーティスティック・アドバイザー。みなとメディアミュージアム2019大賞。Social Art Award 2021 トップ100アーティスト。
専門分野は詩・ビジュアル社会学。個人の制作・研究活動においては、社会学的視点を基礎としながら主に写真を活用したビジュアル調査法(Visual Research Methods)を用いて、個々人に内在する感情・記憶を探り、それらを想起させる断片を集積することを通して、今日の社会に通底する共通・共異の「詩性」を探る試みをしている。*2023年1月現在のプロフィールです。