MMM2011 トークセッション

こんにちは、スタッフのまさおです。

今年度のMMM終わってしまいました。

最後の31日には、17時から那珂湊駅ホームでトークセッションがありました!
遅くなりましたが、その時の模様を軽く報告させて頂きます。

司会:アーティスト兼スタッフの田島悠史さん
登壇者:ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長、おらが湊鐵道応援団の佐藤彦三郎団長、アーティストの井口雄介さんと牟田高太郎さん、MMMクリエイティブディレクター兼アーティストの小佐原孝幸さん

 

テーマ1:過去と未来を振り返って、これからのアート・アートイベントを考える

吉田社長
MMM最初の年は、初めてということで芸術と駅の融合がおぼつかなかった。単純に展示をしているだけであったが、去年は街へと広がった。今年は活性化への礎の年だと思う。本当にこれからどんどん活性化していくと思う。ひたちなか海浜鉄道株式会社は設立から4年目、MMMは3年目。両者とも歴史的には変わりない。一緒に頑張っていきたい。

 

佐藤団長
初年度の印象は特に小佐原さんの駅標にあります。1ヶ月のみの展示のはずが、好評につき常設展示となった。今年は青年会の方々とのコラボが上手くいっていた印象。それは、街の中で大きく栄えるいい事であると考える。次年度は地域の学生さんや街の中の人も巻き込んでいくといいと思う。

 

井口さん
日本中に地域活性したいところは沢山ある。でも、我町自慢のように「こういった名所があります」と推していっては、他の街にだって強みはあるはず。なので、既存の観光資源を使うだけでなく、「アートの付加価値」によって見向きもしなかった公園などに人を来させるのがいいと思う。

 

牟田さん
一年目は「各駅に作品が置いてあった」イメージ。その結果、街中沿線の方々への認知度が薄かった。三年目の今年は街を歩いているとたまに声をかけられるようになった。確実に認知度はあがっている。また、アートについては那珂湊という場所性に寄り添ったアートが増え始めてきたと思う。

 

小佐原さん
去年のトークセッションで話に上がった「大きな作品を作る」ということが、地元の方々のご協力のおかげで今年はできるようになってきた。また、おさむシアターは一日で90人近い人を集める日もあった。内容の濃い作品を作るには、地域の方々の協力が不可欠。MMMのようなアートイベントでは、完成品ももちろんだが、作っていく敬意や地元の方々との協力もとても大切だ。

 

 

テーマ2:MMMのこれから、どこまで広げていくか

田島さん
お話の前提として。初年度は湊線全線で展示をと考えていて、かなり広くやっていた。去年度は駅から少し離れた商店街の方まで展示が出ていった。そして、今年はちょっと範囲を縮めてみた。そうしたら、去年お世話になった商店街のお好み焼き屋さんに「今年はこっちにこないのかねぇ」と言われてしまった。密集するのは歩きやすさ的にもいいことだけれども、それだけでは補えないこともあります。

 

吉田社長
会社の理想としては、湊線沿線全体に広げて欲しい。毎年すこしづつそうやって試行錯誤していきたい。今年もひたちなか海浜鉄道的にギリギリの線の作品があった。そういった風に限界に挑戦していくのもおもしろい。

 

佐藤団長
最初MMMが始まった時は、「街の中を賑やかにする」というねらいがあった。そのねらいは、「お客さんを呼ぶ」というのと「沿線のリピーターになってもらう」という2つに分けられるはず。今年は見てまわるのに3時間かかった。現状でもそれだけ濃いものがある。

 

井口さん
たが広げればいいという話ではない。密度も濃ければいいという話でもない。核となるものが残っていれば、湊線全線にしても、もっと範囲を狭めてもいいと思う。毎年同じ規模で同じことやっていっても、「どうせ今年もあんなのでしょ」と思われてしまうかもしれないので、色んな規模で躊躇なくやっていくのも面白い。規模を変えていくと、全く違う客層を沢山呼べる。

 

牟田さん
場所の広がりに関しては、今年度那珂湊に絞ったのは面白くなったと思う。ちょくちょく訪れているのに、まだまだ見きれてない街の良さがある。これから徐々に広げていくのがいいと思う。ただ、「人の流れを商店街などに作る」というのが目的だったところ、その目的は「人を流す」だけで止まっている気がする。そこから先の行動までないと、地域に貢献できない。

 

小佐原さん
来てくれた人に良い体験を持ち帰ってもらいたいので、いくつかのタイプの作品を集めていく必要がある。春日ホテルさんや松屋旅館さんの展示は、お店の方と話をしなければ展示は見れない。そういった交流する作品も必要だし、井口さんのようなアッと言わせる作品も必要。本庄さんの地域に溶け込む作品もある必要がある。

 

 

テーマ3:フリートーク

牟田さん
地域活性を考えた時に、将来的に社会を担う子供たちになにかすることも意味がある。今回子供に対するワークショップが多くあったが、それは今年の魅力となっている。低予算ならば低予算で、学生を主体とした地域のボランティアの人を取り込んでいくのもいいと思う。作品の説明をしたり、メンテナンスでマシンを触るのは良い刺激になると思う。

田島さん
子供に対してなにかするのは良い事だと思う。人が沢山くる事以外にMMMが何かできることはないのか。

上田さん(青年会の方)
生まれも育ちも那珂湊で、せっかくMMMが来てくれて何かしてくれるならば、それでとても嬉しい。

横須賀さん(青年会の方)
地域の人たちをMMMが動かすという、起爆剤的な役割を持っているかもしれない。

大塚さん(観客の方)
今までMMMなるものは知らなかったが、茨城市報にMMMの折込があって知った。外部の人(MMM)が来てくれて何かしているのに、那珂湊の人たちが動かないわけにはいかないだろうという気になった。若い人に負けない様に、何かを仕掛けようと思うヒントを得られた。

伊藤さん(観客の方)
みなと屋さんのように、団体間の繋がりがなかったところに、部外者のMMMが来たおかげでどんどんつながっていったのがよかった。バイバスの様な仲介の役割をMMMがは持っているかもしれない。

船越さん(アーティストさん・写真家)
MMMが段々と認知されてきた。次に繋げる意味で、TwitterやFacebookを来年の会期まで続けていくのがいい。投稿がないと人は減っていってしまいます。

井口さん
アートの力を過信しすぎるのも良くない。展覧会が終わったら終わったで人がこないってのも駄目な話。一度訪れた土地にはもう一度行きやすいと言うが、アートイベント以外で那珂湊について気になっていることがあるとき、MMMで一度来ていると来やすいのかもしれない。

 

 

以上がトークセッショのレポートとなります。
こう見返すと、短い時間でかなり濃い話をしていたようですね。

トークセッション後の談話様子。

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