みなとメディアミュージアム2026 テーマ決定。「傘と絵馬の中、仮名の前と坂—At the threshold of weather and meaning」
茨城県ひたちなか市を舞台に、2026年12月13日から2027年1月11日までの間で開催される芸術祭「みなとメディアミュージアム2026」のテーマが決定しました。テーマは「傘と絵馬の中、仮名の前と坂—At the threshold of weather and meaning」。新たに河﨑伊吹、田野人子、長野櫻子、平賀美隆、湯ノ浦ユウの5名をフロア・ディレクターに迎えて展開いたします。以下アーティスティック・ディレクターの佐々木樹からのステートメントになります。

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「傘と絵馬の中、仮名の前と坂 ― At the threshold of weather and meaning」においては、完成された作品や固定/規定された意味ではなく、ある状態やイメージが立ち上がっていく「途中」の瞬間に目を向ける試みをいたします。
「傘」「絵馬」「坂」「仮名」という言葉は、それぞれ人の記憶や移動、願い、そして言葉になる前の感覚を象徴することを狙いとして、それらが交差する空間としての街や地域の風景、人々の声や営みを通じて発生する表現の最中を指しており、そんな瞬間に出会える機会としたく考えています。完成された作品の「展示」だけでなく、制作過程をひらくワーク・イン・プログレス型のプロジェクトや、未規定の表現による「展開」をしていく予定です。
また今回は、これまでの夏季開催から初の冬季開催へと移行する試みをします。年末年始の帰省時期に合わせるこの決断の理由としては、居住者や芸術愛好家はもちろんのこと、他出子弟の往来も重なる時期に開催することで、ゆかりを持ちながらも地域を離れて暮らす人々との新たな接点や関わりしろを生む機会となることを期待しているためです。
このテーマをもとにしたMMM2026では、河﨑伊吹さん、田野人子さん、長野櫻子さん、平賀美隆さん、湯ノ浦ユウさんの5名をフロア・ディレクターとして迎え、展開していきます。勝田駅・那珂湊駅・阿字ヶ浦駅の3エリアを中心に、各フロア・ディレクターの皆さま自身の作家性や専門性から、エリアごとの特徴を捉え活かした展示・プロジェクトを企画・展開していただくことで、複数の視点からのディレクションを行うことを通じた、私だけの眼差しに限らない、多層的な表現や空間設計・体験による新たな関係が生まれることを切に願っています。
咲く草、立つは蔦
判る河、風なぜか
啄木鳥、待つの褄
高い肩、靴を突く
傘と絵馬の中
馳せる背は、傅きの創しか
仮名の前と坂
動きの記号、玻璃謳う理は
傘と絵馬の中、仮名の前と坂
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<<フロア・ディレクター紹介>>
河﨑 伊吹 / Ibuki KAWASAKI
<CV>2000年生まれ。岐阜県出身。愛知県在住。大正期から昭和期にかけて活躍した今和次郎を対象とし、彼の思想の揺籃期である1920年代から30年代初頭の活動を中心に研究している。大阪大学大学院人文学研究科芸術学専攻アート・メディア論博士前期課程修了。名古屋市立美術館学芸員。
<意気込み>MMM2024ではプラクティショナーとしてアパートの一室と名平洞公園で展示をさせていただきました。MMM2026ではフロアディレクターとして、2024年に得た気づきを発展させた企画を行なっていきます。この気づきは皆さまとの交流から与えられたものです。皆さまに何かを届けられるよう取り組んでいきます。よろしくお願いします。
田野人子 / Hitoko TANO
<CV>音やコミュニケーション、通信などをテーマにパフォーマンスを行っている。音楽を前提とした場(ライブハウス、クラブなど)での非音楽的な表現、逆に必ずしも音楽を前提としない場での音楽表現に関心をよせる。
<意気込み>例えば、明け方に笛が鳴って、あなたとわたしが目を見合わせる。プールの中で、あなたと目が合う。うまく言葉にできませんが、なんとなく、そんなことができれば、と考えています。よろしくお願いします。
長野櫻子(anno lab) / Sakurako NAGANO
<CV>記憶や風景にまつわる感覚を手がかりに、アニメーションやインスタレーションを制作。anno lab所属。
<意気込み>現実と仮想が交差するような記憶の風景を、ここで少しずつ探っていけたらと思います。この場所で出会う人や出来事を、作品に映したいです。
平賀 美隆 / Yoshitaka HIRAGA
<CV>大学在学中の2011年から2014年にみなとメディアミュージアムへボランティアとして参加。展示場所の監視・作品のメンテナンスなどを行う。大学を卒業した後、2022年ごろから再びみなとメディアミュージアムに関わる。熊本在住。
<意気込み>「2009年からはじまったみなとメディアミュージアムのなかで、2026年がいちばん良かったよね」と言われるように頑張ります。
湯ノ浦ユウ / Yuh YUNOURA
<CV>2020年よりは映像作家としての活動を開始。ミュージックビデオ・ライブ映像・ドキュメンタリー作品等のディレクターを務める傍らVJとしての活動も行う。2022年には自身がVJとして所属するバンドDrive BoyでROCK IN JAPAN FES.2022に出演した。茨城県水戸市在住。懐かしさや夢で見たようなものを映像で再現したいと思っています。
<意気込み>MMM初参加となります!映像や音楽を使ったインスタレーションで架空の誰かの生活を展示するような空間を作れたらなとぼんやり考えております。皆さんと仲良くなれたら嬉しいです。よろしくお願いします!
<<アーティスティック・ディレクターの紹介>>
佐々木樹 / Miki SASAKI
<CV>1992年宮城県生まれ。詩人。秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科博士課程修了(博士:美術)。兵庫県姫路市において依頼の対価を詩で受け取る便利屋「詩人便利軒」を営む。梅花女子大学文化表現学部特別専任講師。
<意気込み>MMM2026でも引き続き、誰もがどこかで”ポエティックな瞬間”を感じられるような活動・展開を目指します。改めまして皆さま、お手柔らかによろしくお願いいたします。
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<<基本情報>>
名称:みなとメディアミュージアム2026「傘と絵馬の中、仮名の前と坂—At the threshold of weather and meaning」
会期:2026年12月13日(日)- 1月11日(月・祝)
会場:みなとのおへそ、ひたちなか海浜鉄道湊線沿線ほか
フロア・ディレクター:河﨑伊吹、田野人子、長野櫻子、平賀美隆、湯ノ浦ユウ
メインビジュアル制作:臼田那智(ヤナチ製作所)
